外国人労働者が転職してきた際の手続き~入管手続き編~

外国人雇用を検討した際に気になることの一つに「ビザ(在留資格)関係で手続きしないといけないことがあるのか」があげられると思います。

今回は外国人労働者が転職してきた際のビザ(在留資格)手続きについてみていきましょう。

※本来「ビザ(査証)」と「在留資格」は異なるものですが、一般的に使用される意味にあわせてこの記事では「在留資格」のことを「ビザ(在留資格)」と表記します。

目次

外国人労働者が転職してきた際の手順

外国人労働者を雇用することが決まった場合は必ず在留カードの確認からはじめます。
なお、選考の段階で在留カードの提示を求めることは差別防止の観点から望ましくないとされていますので内定後に求めるようにしましょう。
内定通知書に「適切な在留をしていると確認できない場合および適切な在留資格に変更を希望しない場合または適切な在留資格への変更が許可されなかったときは内定取り消しになる」旨を記載しておくと良いでしょう。

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在留カードの確認

在留カードで「在留資格」と「在留期限」などを確認します。
在留資格は、企業で任せる業務内容に適したものであるかも確認します。

その他の在留カードのチェックポイントは以下の記事をご覧ください。

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在留資格変更許可申請(就労予定の業務内容が在留資格に適合しない場合)

在留カードを確認した結果、企業で任せる業務内容が在留資格に適していなかった場合は在留資格変更許可申請を行います。
在留資格変更許可申請は、外国人労働者の居住地を管轄する出入国在留管理局や出張所で行います。

例えば、東京の会社に雇われるが外国人労働者本人の居住地が名古屋だった場合は、名古屋出入国在留管理局で行います。
また、居住地が新潟だった場合は東京出入国在留管理局の管轄ですが、東京まで来なくても東京入国管理局新潟出張所でも行うことができます。
ただし、出張所によっては扱っていない在留資格もありますので事前の確認が必要です。

審査のポイントは以下の記事をご覧ください。

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在留資格変更許可を得てから就労開始

在留資格変更許可がおりてから就労開始します。
審査にかかる期間は、審査機関や時期、在留資格によって異なりますが、おおよそ1~3ヶ月です。
東京で技術・人文知識・国際業務ビザ(在留資格)の場合は、おおよそ30日から40日のことが多い印象です。
しかし、申請が特に集中している時期や不法就労が多い傾向にある国籍などの場合は時間がかかる可能性もあります。
申請が必要だと分かった時点から4か月後から働けると見積もった方が安全です。

また、予定していた就労開始時期よりも早く在留資格変更許可申請がでたら、その分早く就労する分には問題ありません。
在留資格変更許可申請書の「雇用開始年月日」を記載する欄の「今次申請の許可を受け次第」という項目にチェックを入れて提出してください。

在留資格変更許可申請が不許可になったら

在留資格変更許可申請の審査は決して易しいものではありません。
なので、不許可になってしまうことも考えられます。
もし、不許可になっても在留期間内であれば何度でも再申請することができます。
ただ、不許可になった理由が解消されない限りは許可されることはありませんので、解消できるものかそうでないものか判断します。
例えば、書類の不備や業務内容が適切に伝わっていないなどであれば解消の余地がありますが、そもそもの学歴要件や実務経験の要件を満たしていないとなるとすぐに解消するのは難しいでしょう。
この場合は、要件を満たすようになるまでは、今与えられている在留資格によっては資格外活動許可を得てアルバイトとして働く選択肢もあります。
また、業務内容によっては実務経験要件を満たしていなくても、特定の資格を取得すれば就労ビザ(在留資格)を得られる可能性があります。
困った際には専門家に相談しましょう。

資格外活動許可については以下の記事をご覧ください。

就労資格証明書を取得すれば在留資格に適合しているか分かる

就労予定の業務内容が現在の在留資格に適合しているかの判断が難しいことも考えられます。
その場合は就労資格証明書を取得してもらうと安心です。
就労資格証明書とは現在の在留資格で予定されている業務に従事することが問題ないかを出入国在留管理局が確認して交付するものです。
発行してもらうためには、出入国在留管理局に就労資格証明書交付申請書を提出する必要があります。
しかし、就労予定の業務内容が在留資格に適合していなかった場合でも、就労資格証明書は交付されます。
その場合は不適合である旨が記載されて交付されるので、必ず中身をよく確認しましょう。

また、就労資格証明書の提出は強制できるものはありません。
よって、提出しないことによる不利益な扱いは禁止されています。
もし、就労資格証明書の提出を依頼する際は、あくまでお願いベースであることに注意が必要です。

在留期限が迫っている場合は在留期間更新許可申請を行う

就労予定の業務内容が在留資格に適合する場合は、在留資格変更の手続きは必要ありません。(高度専門職ビザを除く)
しかし、在留期間が迫っているようであれば、早めに在留期間変更許可申請を行っておくと安心です。
在留期間変更許可申請の申請先は外国人労働者の居住地を管轄する出入国在留管理局や出張所で、在留期限の3か月前からできます。

在留期間更新許可申請が不許可になったら

在留期間更新許可申請はこれまでの在留態度などを考慮された結果不許可になる可能性もあります。
不許可になった理由が書類の不備など解消できるものであればすぐに再申請を行いますが、これまでの在留態度などすぐに解消することが難しい場合は、出国準備のための特定活動ビザ(※)に変更して、一旦帰国してから在留資格認定証明書交付申請を行う方法があります。

(※)在留期間更新許可申請などが不許可になり、現在の在留期限が切れている場合に付与される在留資格。在留期間は30日または31日です。

外国人雇用に関する相談を受け付けています!

就労ビザ(在留資格)を取得するには、就労ビザ(在留資格)ごとに定められた要件を満たす必要があります。また、いち早く外国人労働者にご活躍いただくためには申請を迅速に行うことが重要です。
迷った際はぜひ専門家にご相談ください。

外国人雇用は人材不足の解消や社内のグローバル化への対応、社内に新しい風を吹かせることができるなどメリットがある一方、手続きの煩雑さや労務管理の面倒、文化や習慣の違いによるトラブルなどの懸念点も無視できないのではないでしょうか。
行政書士オフィスウィングでは、就労ビザの取得や期間更新から労務管理の相談まで外国人雇用について幅広く対応しております。併設しております社会保険労務士オフィスウィングでは社会保険の手続きや就業規則の作成・見直しも対応しておりますので、お気軽にご相談ください!

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この記事を書いた人

板羽愛由実のアバター 板羽愛由実 行政書士・社労士・産業カウンセラー

・東京都杉並区生まれ神奈川県川崎市育ち
・行政書士 兼 社労士 兼 産業カウンセラー

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