
【恐怖!】外国人雇用で不法就労になる例や予防対策

不法就労とは、適正なビザ(在留資格)や手続き、許可を得ずに外国人が日本で働くことをいいます。
ひとたび不法就労が起こってしまうと、外国人労働者本人も雇用企業も罪に問われてしまったり、今後の活動へも影響がある可能性があります。
不法就労は、確信犯なこともありますが、自覚なく結果不法就労と判断されてしまった、ということもありますのできちんとした知識を身に着けることが大切です。
今回は外国人雇用で不法就労になってしまう例や予防策についてみていきましょう。
※本来「ビザ(査証)」と「在留資格」は異なるものですが、一般的に使用される意味にあわせてこの記事では「在留資格」のことを「ビザ(在留資格)」と表記します。
不法就労のパターンについて
不法就労になってしまうパターンはいくつか存在しますが、代表的なものをみていきましょう。
そもそも不法滞在である
就労することはおろか、滞在自体も不法なパターンです。
出入国在留管理庁によると、令和6年1月1日時点での不法在留者数は7万9,113人であり、前年に比べ8,622人(12.2%)増加しています。
不法滞在をする理由は様々ですが、「母国で働くよりも高い賃金を得て、家族に仕送りしたい」という動機もあります。不法滞在であれば公的な支援も受けられず、働かないと本人の生活も成り立ちません。そのため、何とかして働こうと応募してくる可能性もありますが、企業として阻止しないといけません。
【参考】本邦における不法残留者数について(令和6年1月1日現在) | 出入国在留管理庁
与えられているビザ(在留資格)で認められた活動と異なる活動を行っている
滞在自体は適法ですが、与えられた在留資格で認められた活動とは違う活動をしている場合です。
以下の場合が該当しえます。(一例です)
- 留学生として留学ビザ(在留資格)を与えられたのに、退学し、アルバイトをしている (※資格外活動許可を得ていたとしても、退学したら失効する)
- 技術・人文知識・国際業務ビザ(在留資格)を与えられたのに、コンビニでアルバイトをしている
- 技術・人文知識・国際業務ビザ(在留資格)を与えられたのに、タレント活動をしている
就労が認められていないのに就労している
こちらも滞在自体は適法ですが、就労が認められていないにも関わらず働いている場合です。
以下の場合が該当しえます。(一例です)
- 留学ビザ(在留資格)を与えられた外国人が資格外活動許可を得ずに働いている
- 家族滞在ビザ(在留資格)を与えられた外国人が資格外活動許可を得ずに働いている
- 研修ビザ(在留資格)を与えられた外国人が資格外活動許可を得ずに働いている
- 文化活動ビザ(在留資格)を与えられた外国人が資格外活動許可を得ずに働いている
- 短期滞在ビザ(在留資格)を与えられた外国人が資格外活動許可を得ずに働いている
- 技能実習ビザ(在留資格)を与えられた外国人が働いている(※技能実習生には資格外活動許可はおりません)
不法就労罪の罰則
外国人労働者が不法就労罪になると以下の罰則があります。
- 出国命令(上陸拒否期間1年)または退去強制(上陸拒否期間5年)
不法就労助長罪の罰則
不法就労者の雇用主や人事担当者などが不法就労助長罪になると以下の罰則があります。
- 3年以下の懲役または300万円以下の罰金、またはその両方
なお、2025年6月以降に以下に改められる見通しです。
- 5年以下の懲役以下(拘禁刑)または500万円以下の罰金
また、企業の信用情報に傷が付き、今後外国人雇用を行う際の採用外国人の在留資格変更許可申請時などで不許可になってしまう可能性も考えられます。
外国人労働者を雇用する際は、外国人労働者の在留資格と就労可能な活動の範囲を把握しておきましょう。
不法就労が発覚したときは
不法就労が発覚してしまった場合は、とにかくすぐに届け出ることが一番です。
事前のチェックをしていても不法就労だったということもあり得ます。
不法就労者だと分かった時点で出入国在留管理局へ通報する、本人にも出頭を促すといった対応を取ってください。
不法就労助長罪はたとえ知らなかったとしても問われる可能性がありますが、不法就労だと知っても雇い続けたとなれば、悪質だと判断される可能性もあります。
また、外国人労働者本人としても、自ら出頭した方が不法就労の期間も短くなり、罰則も軽くなる傾向にあります。(他に違反があるかにもよる)
不法就労だと分かっても雇い続けるのは絶対にやめましょう。
就業規則の解雇事由にも「不法就労が発覚したとき」を追加し、雇用契約の際にもきちんと説明しておくことをおすすめします。
不法就労を予防するには
不法就労を予防するためにはいくつかのポイントがあります。
内定時にきちんと在留カードを確認する
企業側が不法就労を予防するためには、内定時にきちんと在留カードを確認することが何よりも重要です。
知らずに不法就労者を雇ってしまったとしても、事前にきちんと確認をした上での出来事かそうでないかは不法就労罪に問われるか否かの判断にも関わってくると考えられます。
在留資格や在留期間はもちろんのこと、在留カードが偽造されたものでないかの確認もしておくと安心です。
在留カードの確認ポイントは以下の記事をご覧ください。

上司や同僚に在留資格内で行える業務をあらかじめ説明する
働いてるとイレギュラーな業務対応を行うこともあると思います。
しかし、そのイレギュラーな業務対応が外国人労働者が持っているビザ(在留資格)ではできないものだった!という可能性もあります。
人事部門だけが対応可能な業務を把握するのではなく、実際に外国人労働者と働く部署の従業員にも共有しましょう。
対応可能業務の一覧を作成し配布したり、データ保存しておくこともおすすめです。
もし、不安なことがある場合は人事部門に相談してもらえる体制にしましょう。
異動後の担当業務が在留資格内で行える業務か確認する
企業に所属していると、異動の可能性も考えられます。
もし外国人労働者を異動させたいときは、異動後の担当業務がビザ(在留資格)内で行える業務が必ず確認することが重要です。
そして、新しく配属される部署の従業員にビザ(在留資格)内で行える業務を共有し、不安なことがある場合は人事部門に相談してもらえる体制にしましょう。
資格外活動許可の場合は週28時間以内の管理を徹底する
就労できるビザ(在留資格)を持たない外国人であっても資格外活動許可を得ていれば、週28時間以内で働くことができます。
そしてこの週28時間はどの曜日から起算しても週28時間以内であることが求められます。
この週28時間を超えてしまうと、不法就労になってしまうのでシフト管理は正確に行いましょう。
そして、極力残業はさせないようにしましょう。
もし、残業が発生したら、他の日の労働時間を減らす等して必ず週28時間以内におさまるように調整します。

外国人雇用や就労ビザに関する相談を受け付けています!
ご紹介したように不法就労には様々なパターンがあり、正しい知識を持っていないと、知らず知らずのうちに不法就労状態になってしまう危険性があります。
また、外国人雇用の際には企業側も該当の就労ビザ(在留資格)の知識をもって受け入れることが大事です。
外国人雇用やビザ(在留資格)、資格外活動許可のことで迷った際はぜひ専門家にご相談ください。
外国人雇用は人材不足の解消や社内のグローバル化への対応、社内に新しい風を吹かせることができるなどメリットがある一方、手続きの煩雑さや労務管理の面倒、文化や習慣の違いによるトラブルなどの懸念点も無視できないのではないでしょうか。
行政書士オフィスウィングでは、就労ビザの取得や期間更新から労務管理の相談まで外国人雇用について幅広く対応しております。併設しております社会保険労務士オフィスウィングでは社会保険の手続きや就業規則の作成・見直しも対応しておりますので、お気軽にご相談ください!
